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2025年03月11日(火)

口腔がんについて part 3 ~細胞診とは?~


院長の山本です.

今回は,前回のブログで紹介した『細胞診』についてお話します.(細胞診に至る内容をpart 1, part 2 に書いておりますので,是非お読みください)

細胞診は,身体の細胞を顕微鏡で観察して細胞の良性・悪性や病変の有無を調べる検査で,臨床検査の1分野です.細胞診では,その病変が正常なものか悪性の疑いがあるものかを判断することが出来ます.また,微生物による感染症や炎症性病変についても判定することが出来ます.

細胞診の採取方法はいくつかありますが,歯科で行うものは「擦過細胞診」に分類されます.

医科の世界では当たり前にされている細胞診,特に女性の方においては子宮がん検診で経験があると思います.歯科医療の現場でも少しづつ普及はしていますが,多くの歯科医院が未だに検査を実施していない現状があります.(細胞診を一般歯科診療所で行うべき理由は次回.)

口腔粘膜疾患の病理学的検査には細胞診の他に組織診があります.組織診は粘膜の一部を切り取って検査する方法で,患者さんへの侵襲が大きい一方,細胞診はブラシで擦過することによって粘膜表面の細胞を採取する方法のため,侵襲が少ないという利点があります.このことから繰り返しの検査が可能で,口腔粘膜疾患の経過観察時にも容易に行うことができます.

一点注意が必要です.細胞診は推定診断にとどまり,確定診断をするものではないことを理解しておかないといけません.細胞診は病気のすべてがわかるわけではなく,あくまでもスクリーニング(ふるいわけ)です.病変の確定診断のためには組織診が必須になります.

確定診断ができないと聞くと,良さそうだけどやる意味ないのでは?組織診をいきなりやってしまったほうが早いのでは?と思われる方も多いと思います.

そんな疑問やなぜ一般歯科診療所で口腔細胞診をしたほうが良いのかについては次回お話していこうと思います.

まとまりのない文章でしたが,最後までお読みいただきありがとうございました.